【北岳 前篇】
8月11日(火) 晴れのちガス
ミツ チー
マピオン地図・・・・・・・・ | 地図上の 「+」 が 北岳 |
広河原10:20−広河原山荘10:40−大樺沢二俣13:30(昼)13:55−草すべり合流
小太郎尾根分岐16:45−肩ノ小屋17:30
熱帯低気圧が、突じょ台風に豹変し
登山口へのゲートが閉められてしまったため、二日間、甲府で足止めを食らって絶体絶命だったのだが、
神に願いが通じたか
奇跡の一番バスに乗れ、私たちは今、広河原に立っている。
後、1時間、ゲート解除が遅れたら、、と思うと、未だに軽い戦慄を覚える。
、
でも、すでに予定より4時間も遅れているから、感慨にふけっている暇はなく、
何としてでも今日中に、肩ノ小屋までたどり着かなければ、、北岳の登頂はあり得ない!
と、いうわけで、早々に出発。
満開のクサボタンが光ってる。
野呂川にかかる吊橋は、揺れるからノロノロ渡りだが、正面に聳えるはずの北岳は、ただ今、ガスの中。
あんなに高い、、と怯まないよう、姿、隠してくれているとか?(笑)
吊橋の向こうには山荘とテン場。
山荘の水をボトルいっぱいにして、いよいよ登山道へ、、
真昼の快晴
標高1520mの樹林帯といえど、じゅうぶんに暑い、
ノブキ | クサコアカソ? | ヤマホタルブクロ | ||
ソバナ | マルバ?マンネングサ | イタドリ | ||
クロクモソウ | ヤマハハコ | キッコウハグマ |
木漏れ日の中で咲く花に、その一つ一つに足を止めながら、30分ほどで白根御池小屋との分岐。
左に取って大樺沢へ入る。
沢沿いになると水音高く、さすがに爽快♪
ヤマハッカ、オトギリソウ、センジュガンピ、シモツケソウ、
クガイソウも咲き始めてて、グンナイフウロもまだ残ってた、ラッキー! ヽ(^o^)丿
タカネグンナイフウロ | オオハナウド | シナノオトギリ | ||
ヤマハッカ | シモツケソウ | センジュガンピ |
花に感(かま)けていたらパカンと開けたガレ場に出た。
正面には北岳の稜線、振り返るとキリリとした夏山、、わぁ、鳳凰三山や!
南アルプスに来たっ、、って感慨が、ここにきてどどっと押し寄せる。
軽い渡渉、大きな渡渉で右岸に移る。
地図を見ると、この先、もう一度、左岸への戻り渡渉、、があるようだ。
休憩はそこ、ということにして、もうしばらくガンバル。
オタカラコウや、オニシモツケ、蕾のトリカブトなんかが増えてきた。
オタカラコウ | オニシモツケ | トリカブト |
それにしても人がいない。
ゲートが開いて芦安からの第一便で、たしか数名は降りたはず、その前にも乗合タクシーの人もいたのに、、
アジア系のカップルが木陰で休憩している。
こんちは〜♪
あの人たちも同じバスだったよ、とミツ。
向こうも、久々に人に会って嬉しそう、、あまりに人がいないと不安だもんね。
次の渡渉を待ち切れず、道ばたにへたり込む。(←私ではない 笑)
休憩も、伝染するんかな?(笑)
ミソガワソウ | ミヤマアカバナ |
あらもう正午、でもお昼は二俣の予定なので、とりあえずここではおやつに止(とど)める。
結局、次の渡渉まで1時間もかかってしまった。
地図、合ってるんやろか?
沢から離れ、やがて樹林帯からも抜け出すと、花の種類や数がグンとグレードアップして
振り向けば、先ほどの鳳凰三山が、ますます凛々しく
クガイソウ | 鳳凰三山 | ヤマブキショウマ |
正面の厳めしい岩場には、ガスがかかって異様な雰囲気。
谷間に雪渓、それが、どんどんこっちに近づいてくる。
あそこは回避するはずだから、、
しかしゴッツイ岩やなぁ、、と、何度も見上げて 、あっ バットレス!
やっと思い至った。(^^ゞ
雪渓が近づくと、う回路もいくつかあって、いつでも山側に逃げられる
けど、ここはしつこく雪渓傍まで迫ってみる。
※ |
頭上にはバットレス、、夜叉壁みたいや(笑)
それにガスがかかって先端を隠すので、、何だかとてつもなく巨大な怪物って感じ。
なだめるように咲く花たち。
ミヤマハナシノブ | キジムシロ |
これ以上近づくと雪渓に突入する、というところまで来て、あっ 簡易トイレが見えた!
ミツが小さく叫んで ようようの二俣にたどり着いた。
13:30
やっとご飯だ〜(笑)
エエ山や、スケールがある。
ミツがいつになく?感動している。
でも、最大の難所は、まだこの先に、ちゃんと残ってるんだけど、、(笑)
エゾシオガマ | ハクサンフウロ | タイツリオウギ |
表示に従い、雪渓の右側・・・「右俣」を、ガンガン登っていく。
もうあれでオサラバ、、と思っていたバットレスが、さらに凄い迫力で仁王立ち。
道は小刻みにジグザグで、思ったよりも登りやすい。
そして、斜面はいつの間にか、マルバダケブキ一面の花園になっている。
シオガマやツマトリソウなど、高山の花が、それにどんどん加わってきて、
ふと見れば、斜面は色とりどりの花で埋め尽くされて、、
もう8月中旬なので、けっして華やかとは言えないけれど、、
コゴメグサ、キオン、シモツケの小群落。
ミヤマコゴメグサ | トモエシオガマ | シモツケ |
シナノキンバイを見つけ、わっと叫んで近づくと、デカイ原っぱに出て、
辺り一面、シナノキンバイだらけになった。
お花畑やぁ〜〜!
ここは、何がなんでもお時間ちょうだい! ヽ(^o^)丿
シナノキンバイ | アオノツガザクラ |
足元にはアオノツガザクラ、
この前まで雪渓だったのか、、と、そのまま、花園へとどんどん入り込む。
後日、ミツの撮った写真で、ここがバットレス直下だったと知る。(笑)
↑ 私 |
ただ今、お向かいの鳳凰三山が、ガスと格闘してはるが、
私の方は、いよいよお出ましのウメバチソウやらトリカブト、ウサギギク、、の撮影に忙しい。
ウサギギク | ウメバチソウ | キタダケトリカブト |
16:15
白根御池小屋からの道と合流。
難所だと、構えたワリに、すんなりと越えていた。 (^^)v
花のおかげかな?(笑)
グンナイフウロ | ヨツバシオガマ | ミヤマアキノキリンソウ | ||
テガタチドリ | タカネウスユキソウ | オヤマソバ? |
その後も花畑は途切れることなく、パラパラと続き
見渡す限り、花畑だったり、ヽ(^o^)丿
もう消えたと思っていた鳳凰三山も、ガスを打ち負かし、今や険しい山肌を威風堂々ひけらかしている。
小太郎尾根分岐16:45
ザレた斜面に、チングルマの小群落。
そういえばチングルマは、あまり見かけない。
チングルマ | ミヤマクワガタ |
ガスの切れ間から、小太郎尾根の稜線が覗く。
かっこいいなぁ、、と、何度も振り返っては撮ったけど、まさかその向こうに、甲斐駒がドーンと聳えてたとは、
この時は、知る由もなかった。(^^ゞ
尾根に乗ると植生が変わり、コケモモ、タカネツメクサ、イワツメクサと
岩場にへばりつく高山植物ばかりになる。
肩ノ小屋まで後、僅かだろうと思うけど
この時間になるとさすがにガスが伸してきて、行く先が見えなくなった。
道までがガスに隠れてきたけど、大丈夫、一本道や、、と、気を取り直しては、まだか〜まだか〜、
ミツが、ふり向き えっ どうしたん?
さっきまでトントン拍子だった嫁が、急にうずくまる。
寒いんで〜ヤッケ着る。
うん、僕も着る、こういう寒さが一番良くない、、
と、励ましてくれているのか、、しかし 力が湧きまへん、、(´_`) (’_’)
理由は薄々、分かってる。
もうすでに2900mは越えてるだろう標高の、2700m以上はダメな私、、いよいよパワーが萎えたのだ。(笑)
ミヤマダイコン、デカい紫はチシマギキョウとか、思っているが、全く、撮る気にはならへん、、(−.−;
足滑らしたらひとたまりもない、であろう、すり鉢状の斜面を覗きこんでは、膝がガクガク、
時おり寒風が無情にも脅かし、バランスを崩して、おっとっと、、
ここで踏み外したら、一巻の終わり、、
ひえぇ〜〜
と、全身の神経を指という指に集中し、ガレた岩場を無我夢中でよじ登る。
北岳ノ肩
あれやっ!
しかし、小屋がない、、どうして?(−−;
消えた?
とか意識朦朧(もうろう)としていたら、ガスの中に人が浮かんで、その向こうにトイレ? じゃなかった 物置小屋か、、
の中で、ミツがただ今、宿帳に記入中だった。(^^ゞ
17:30
肩ノ小屋
もう早々と食事を終え、寛いでいる人もいる。
「すぐ夕食、ですよね?」
「あぁ、、でも、今すぐで のおても、ええから。」
小屋のオジサンが、私の顔を見ながら、すらっと笑って労ってくれた。
そっちの隅の二つが寝床、と通された一階奥の部屋で、布団を敷いたのは、なんと!私らだけ。
反対側の隅っこにもう一組。
それと2階に数組
閑散とした肩ノ小屋
朝、会ったアジア系のカップルはマレーシア人で、
この小屋では初めてのマレーシアからのお客だと、大歓迎されていた。
後編へと続く、、